夏休みの『勉強しなさい』が減る 学習習慣を守る過ごし方
2026.07.20|小・中・高・全学年向け
2026.06.21 | 小・中・高・全学年向け
今日は、昨年度の夏期講習で大きな変化を見せてくれた中学1年生のAさんについてお話しします。
「勉強しなさいと言いたくないけれど、このままで大丈夫なのかな…」
お子さまが家でなかなか机に向かわない姿を見るたびに、そんな気持ちになることはありませんか。
声をかければ不機嫌そうな顔をされる。何も言わなければ本当にこのままでいいのか不安になる。見守ることと放っておくことの違いも分からなくなってしまう。
保護者の方にとっては、とても苦しい時間だと思います。
お子さまを信じたい気持ちと、このままでは心配だという気持ち。その両方を抱えながら毎日声かけに悩まれている保護者の方は決して少なくありません。
Aさんが入会したのは昨年6月でした。
当時は学習習慣がほとんどなく、学校の提出物や宿題も未提出が多い状況でした。テストの点数も30〜40点台。
数学に対する苦手意識が強く、問題を前にすると自信なさそうな表情になることも少なくありませんでした。
塾の宿題についても同じでした。
もちろん勉強が嫌いだからという単純な話ではありません。できなかった経験が積み重なると、「やっても分からない」「どうせできない」という気持ちが先に出てしまいます。
Aさんにも、そんな様子が見えていました。
ただ、授業を担当していた講師は違う部分に気付いていました。
ある日、授業後に講師が前任室長のところへ来て話したそうです。
点数だけを見ると苦戦している生徒に見えます。
それでも授業中の反応や考え方を見ると、「分からない」のではなく「どこかで土台が抜けてしまっている」ように感じられたそうです。
私たちはできない部分だけを見るのではなく、「どこなら理解できているのか」を探すことを大切にしています。Aさんの場合も、授業の中で確かな可能性が見えていました。

そこで夏期講習では、ただ問題演習を増やすのではなく、積み残しの原因を探すところから始めました。
普段の授業で見えていた考え方の癖や理解の抜けを整理しながら、小学校内容までさかのぼって復習を行いました。
「今の単元ができない」のではなく、「どこから分からなくなったのか」を一つずつ確認していったのです。
宿題も大量には出しませんでした。
その日授業で理解できた内容を定着させるための課題だけです。量が少ないからこそ、「やってみようかな」と思える状態を作りたかったのです。
そして私たちが大切にしていたのは、正解したかどうかだけではありません。
質問できたこと。前回より少し早く終わらせられたこと。字を丁寧に書こうとしていたこと。
そうした小さな頑張りを講師が見つけ、その場で言葉にして伝えていました。
勉強を好きにする前に、まず「自分にもできるかもしれない」と思える経験を増やしたかったのです。

夏休みが進むにつれて、Aさんの様子は少しずつ変わっていきました。
遊ぶ時は思い切り遊び、塾では集中する。そんなメリハリもできてきました。
そして授業中の雰囲気も変わっていきました。
以前は自信なさそうに問題を見ていたAさんが、講師と一緒にノートを見ながら考える時間が増えていったそうです。
「思ったより嫌じゃないかも」
「先生との授業、結構楽しいかも」
そんな気持ちが少しずつ育っていった夏だったのではないかと思います。
特に印象に残っているのが、初めて宿題をしっかり終わらせてきた日のことです。
確認してみると正答率も高く、その後の確認テストでは満点。
問題を一問ずつ解き進める姿を見ながら、担当講師も大きな手応えを感じたそうです。
点数そのものも嬉しいですが、それ以上に「やればできるかもしれない」という感覚が生まれ始めた瞬間だったように思います。
確認テストの満点は結果の一つですが、私たちが嬉しかったのはそこへ至るまでの過程です。
宿題に取り組み、分からない部分を確認し、最後までやり切ったこと。その積み重ねが見えたことが何より印象に残っています。

夏休みが終わり、9月のテストを迎える頃にはAさんは大きく変わっていました。
宿題は毎回提出できるようになり、学校ワークもテスト2週間前には終了。
さらに2周目まで取り組めるようになっていました。
そして数学は70点を獲得しました。
30点以上の点数アップはもちろん素晴らしい成果です。
ただ、私たちが本当に嬉しかったのは別の部分でした。
提出物をきちんと出せるようになったこと。
勉強を最初から諦めなくなったこと。
そして、「どうせできない」ではなく、「やればできるかもしれない」と考えられるようになったことです。
学習習慣は一日で身につくものではありません。
だからこそ、夏休みの間に積み重ねた一つひとつの行動が、その後の大きな成果につながったのだと思います。
もし今、お子さまが勉強に苦手意識を持っていたとしても、最初から高い目標だけを求める必要はないのかもしれません。
宿題を終わらせられた日。少し早く机に向かえた日。質問が一つできた日。そんな小さな積み重ねが、後から振り返ると大きな変化につながっていることがあります。
昨年度のAさんの夏も、まさにそんな夏でした。
お子さまの今の状況に合わせて、どこから始めるのが良いのか。一緒に整理するところからでも大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。